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いらっしゃいませ

第21章 暁月

そして 静寂が 戻る




己の胸から流れる赤い血を にのが治そうと一心不乱に舐めてくれている。

……もう いいよ

残りわずかな力を使い にのに 伝える

感覚がなくなる

意識が 遠くなる




「じゅん …眠れ… 深く眠って傷を治せ…
大丈夫。おれ達も一緒に眠ろう。
おまえが目覚めるまで……
……おやすみ じゅん 」
さとが耳もとでささやく。

「目覚めたら また 遊ぼう。
まってるよ。 きっとだよ 」
雅紀の声が震えてる。

「潤、大丈夫だ。
また 逢える。」
翔が 鼻先を舐めてくれた。

「… じゅん 待ってるからね。
すぐだよ。すぐ 逢えるよ 」
にのが泣いて わらって 抱きしめてくれた。


そこで おれの時間が 止まった。







また 逢える。


その言葉を信じて。














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