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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

桃木視点

O&A「さぁーレッツゴー♡」

S「オーー」



五人が手を繋いでいる歩きだす背中を見ている。

宮『桃木…』
 宮様がふわりと舞い降りた。

桃『あ、宮様』
地に足が着くのを確認して、両手を重て、首部を下げる。

宮『久しいな…』

宮様の声が耳をなぜていく

桃『はい、ご機嫌がよろしいようで…』

声を聞くだけで、貴方様の機嫌がわかる。
年月は関係無いのだと感じた。

宮『当たり前だ!こうやって…主と…』
 宮様の声が、震えている。

顔をあげると、
言葉より先に、頬をつたう涙がみえた。


桃『ああ、泣かないでください』

慌てて、近づくと『泣いてなどおらん!』と、掌で乱暴にぬぐう宮様。


桃『そうですか…では、そう言う事にしましょう』

繊細で強がりで…感情を表に出さない宮様を泣かすなど、
生きていた頃なら、仕返しを警戒しなければいけない…が、

今は違う…

宮『ふん。』
 感情をそのまま、顔や態度にだす宮様。

こんなに可愛らしき男子(おのこ)であったのかと、思う。

 猿の“お嬢”が宮様の肩に座る。

宮『我(わ)は、御仁と桃木の再開を拝みたかった』
 独り言のように、私に言葉を向ける。


桃『悟はもう、智殿です…

 私は、これでいいのですよ…』

狼の“もも”をなぜながら言う

宮『ふん、主が言うなら、構わないが…
 サトシの中の悟は、待っていたぞ…』

桃『そうですか…
 でも、近づけません…
 今宵は、花と虹の精霊様の加護の奇跡にしかありません…』

宮『主は、難儀なヤツだ…』




ええ、自覚あります。
私は…

弱き男です…










歩く五人を…二人と二匹

そして

白い鳥が見ていた。

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