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虹色の精霊に導かれて…

第5章 ハワイの懐かしさに乗って

櫻井視点

 聖地から道まで歩いて出ると、黒なベンツのバンが止まっていた。


翔専属マネ「櫻井さーん」
 マネが手を振って降りてきた。


「あ…マネ…」

(さっき助手席の男性と言い争ったけど、ケガとはなさそうだな)


マネ「どうしたんですか?早すぎませんか?」
 時計を見ているマネージャー。


(説明…どうしよう…精霊にあったよ?か?)
 言葉を選別しているうちに、チーフが話し出した。

チーフ「撮影は中止した」

マネ「トラブルですか?」

チーフ「現場に行くと、白人の男五人が石の上に乗ったり、座ったりして、ふざけていた。

精霊は見ていたのか、それまで雲ひとつ無い青空だったのに、突然雨がそこだけ降りだしてきて、欲しかった聖地の風景が変わった。

濡れないように男達が木陰に駆け込んだ。
今までなかった、赤土混じりの小型竜巻が男達に向かっていく。
それを見た男性達は、慌てて車に乗り込み、早々に引き上げていった」

 淡々と説明するチーフ。

マネ「それを六人で見ていたんですか?」

チーフ「まーな…でも、いい物も見えたぞ。男性達が聖地を離れた直後、雨は嘘のように上がり、虹が現れたんだ。良い事ありそうだろ!!」

マネ「写真は?」

チーフ「ない。いいじゃないか…ドールでその分取るから!!」
 チーフが笑った。

マネ「チーフがいいと言うなら、僕らは何も言えません…」
 あまり人前で笑わないチーフの笑顔を見て、マネージャーは口を窄めた。

「…………」

(チーフって…真顔で嘘がつけるんだ…)

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