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Blast of Brilliant STARS

第11章 ジャポニズム③

【millieさま・山】



「翔兄、母さんまだこっちに来ないの?」

「さと、母さん東京で用事があるから。それが終らないと…」

「ねぇいつ?」

無邪気な弟の問いかけに躊躇する。


「ごめん、わかんないや。和也叔父さんの所で待っててって」

多分もう、東京には戻れない。

母さんは3月の東京大空襲で父さんの許にいった。

俺が…智を守らなくちゃ…。

母さんは最初から父さんの許に行くことを望んでた。
だから俺たちをここ、京都に疎開させる時に財産の殆どを和叔父に託した。


「翔兄?どうしたの?どっか痛いの?」

弟の澄んだ瞳。

「ん?大丈夫だよ。ほら家に戻って勉強しよ?兄ちゃんが教えてあげるから」

「勉強やだ~」

「智、しっ。誰が聞いてるかわからないから」

小声で注意する。

たった一言で自由を奪われてもおかしくない時代だから…。

和也叔父さんは言ってた。

「翔くん、もうすぐこの愚かな戦争は終わる。その後の混乱を切り抜けるには賢さが必要だ。大切な人を護りたいだろう?」


智を護るために…俺はどんなことをしても生き抜く。
小さな手を握るとぎゅっと握り返してくる。

智を抱き上げ家路を急ぐ。


もうすぐ戦争も終わる…。



millieさん
2015-11-17 08:22:36


〉朝、顔洗いながら思い付いたから
さっさとアウトプット。

悲恋かけない、チキンです。
だって感情、そっちに持ってかれて
使い物にならなくなるから←ダメ大人

というわけで?
一応、テーマにあってるからしら?
では、にげます!



〉お山兄弟疎開のお話、なんだか火垂るの墓の清太さんと節子を重ねてしまいました(;_;)

短いお話の中で時代背景の描写まで…
ほんとすごいです。

…不謹慎と思いつつも弟さとしが可愛いと思っちゃいましたw

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