煩悩ラプソディ
第29章 消費期限は本日中/AN
そっと下腹部に手を伸ばして、スウェットのゴムから手を差し入れる。
ずっと緊張してるにのちゃんを見てたら、俺がちゃんとリードしなきゃってそう思ってきて。
今にも飛び出しそうな心臓をぐっと堪えて、にのちゃんが怖くないようにできるだけ優しく触れようと努力してるけど。
こんなに可愛い反応を見せるにのちゃんを前に、いつ理性が飛んでしまうかと内心ビクビクしてる自分もいる。
スウェット越しのにのちゃんの中心は、完全にその形を成していて。
キスだけで硬くなっていくそれを、体の下でずっと感じてきたから。
にのちゃんが俺に反応してくれてると思うだけで嬉しくて堪らない。
だから…
にのちゃんに、もっと俺を感じてほしい。
スウェットを下に引くと遠慮がちに腰を上げるから、するっと膝まで下げた。
にのちゃんの頭を抱き込むようにして見つめながら下着の上から反り返った中心を包むと。
「んっ…」
両手で口を塞いで、ぎゅっと目を瞑るにのちゃん。
すでに先走ったそれは下着をぬるつかせていて、先端に触れると新たにじわっと濡れてくる。
男のものを触るなんて、自分以外で初めてだけど。
でも、にのちゃんのなら。
全く抵抗もなければ、嫌悪感もない。
それに…
こんなにも愛おしくて、こんなにも独り占めしたいって思えるなんて。
「触るね…」
耳元で呟けば、目を瞑ったままこくっと頷く。
今度は下着のゴムに指を掛け、同じように少し腰を浮かした隙に膝まで引き下げると。
現れたその猛りに、途端にどくどくと心臓が波打ってきて。
初めて見る、にのちゃんのもの。
先端に透明な密が纏わり、外気に触れてぴくぴくと小刻みに震えるそれに気持ちが一気に昂る。
にのちゃんに目を向ければ、口を塞いでいた両手がいつの間にか顔を覆っていて。
耳の淵が真っ赤になっているのが目に入り、その可愛らしさに危うく理性が飛びそうになった。
ごくりと息を呑んで、そっと右手で握りこむと。
「ぅあっ…んっ、」
覆っていた顔を俺の方に向けて、きゅっと首を縮こませてきて。
同時に晒された太腿が捩れ体を寄せてくる。
ゆっくりと上下に動かせば小さい声を上げながら体を跳ねさせ、またじわっと密が溢れてきた。