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秘密

第17章 前進

※大野side

翔ちゃんが出て行って30分程度して
泣いているルナを連れて戻ってきた

そのままみんなに目で合図をすると
テーブルを囲むように置いてあるソファにそれぞれが座った

櫻「さっきルナがお父さんのところ行こうとした」

それって……死のうとしたってこと?

二「どうして…?」

櫻「それをこれから聞こうと思って戻ってきたんだ」

翔ちゃんは1人で聞こうとしなかった
ちゃんと俺らを頼ってくれた
嬉しかった

「ルナ…教えて?」

「今日、学校行ってみた、でも、でも……ばれた、先生のせいで、ばれた、パパとママがいないこと、…そしたら男の子が…親がいないってことはルナがいないのと同じって……拒否された、存在を、命を、…だから」

「だからって、死んでいいことにはならないでしょ?」

俺は思わずルナの言葉を遮ってしまった
許せなかったなにもかも
親のことをバラした先生のことも
ルナをいじめた男のことも

「もういい…パパとママが離婚してから、パパが死んでから、いいことなかった、毎日が苦しくてつらかった、もう死んで楽になりたい。パパと一緒にいたい…」

ルナは常に抱え込んでいたんだ
誰も何も返せなかった

その静寂を破ったのは長瀬くんだった

長「久しぶりー!ってお前らなんて顔してんだよ」

ルナは涙を拭くと

「さとしくん…」

って切なげな声で言ったんだ

長瀬くんが何を察したのかはわからないけど
「行くぞ」ってあの時みたいに俺らをレコーディングの部屋に連れていった


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