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秘密

第17章 前進

※大野side

『僕は君を許さないよ 何があっても許さないよ
君の愛する我が子が いつか物心つくとこう言って喚き出すんだ
「お母さんねぇなんで アタシを産んだのよ」
「母さんの子になんて産まれなきゃよかった」
「母さんの子になんて産まれなきゃよかった」
「母さんの子になんて産まれなきゃよかった」

そこへ僕が颯爽と現れて 両の腕で彼女をそっと抱きしめるんだ
君は何も悪くないよ 悪くないよ 悪くないから』


初めから大きな声で歌っていた
全てを吐き出すように


長「いいじゃん。いつもと変わってないよ」

変わってない?

長「ルナ、お前そろそろ気づいたほうがいいぞ。自分の気持ちを歌にして、自分で答え出してること。ルナは何も悪くないんだろ?」

ルナは足が崩れるようにその場に座り込んだ
長瀬くんはずっと気づいていたのか
歌わせればルナの本当の答えが見つかること
だから無理やりにでも歌わせたんだ

「さとしくん…ありがとう…」

長瀬くんを見つめるルナの顔には笑顔があった
何か吹っ切れたような顔

長「ルナにはその顔が1番似合ってるよ」

俺らはただただ頷いていた
長年の絆っていうのはこういうものなんだなって思った
ルナを知っている長瀬くんだからこそわかること
長瀬くんだからできたこと

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