秘密
第20章 思出
初めてとうまと会ってから3日が経った
あの日からなんか耳が聞こえにくくて
何でかはよくわからないんだけど
怖くて誰にも言えなかった
普通の会話はいつも通りにできた
ただいつも聞こえてたドアの開く音とか、ちょっとした音が聞こえなかったんだ
でもなんか今日は、今は違う
いつものように嵐の楽屋にいる
ソファの上で体育座りをしてテーブルをじっと見ていた
何も聞こえなかった
だから動けなかった
顔を上げればメンバー同士で会話してるんだろうけど
何も聞こえない
ただ微笑み合ってるだけにしか見えなかった
ひたすらに怖かった
いつも聞こえてた耳が急に聞こえなくなったんだ
脳裏に焼き付いている男の顔と女の顔
どこがで見たような
目を閉じるとその人の顔を思い出すようになった
でもこの人たちが自分とどんな関わりがあるのかは
思い出せなかった
目を閉じるたびに恐怖が蘇ってくる
なんの恐怖かわからない
ただ絶対に会ってはいけない人なんだと思った