秘密
第21章 発展
「こんばんは。夜遅くにごめんね」
親しく話しかけてくる女の人
この人のこともうママって呼んじゃいけないんだっけ
脳裏に焼き付いていた女の人と顔がリンクした
悪い人…
大ちゃんの膝に乗ってちゃんと女の人と向かい合う
さっきまで大ちゃんが座ってた椅子
そこに女の人が座った
「うわっ!大野さんじゃないですか!」
「こんばんは大野です。」
「どんな関係なんですか?」
「今それが必要ですか?ルナに用事あるんですよね?」
聞いたことないくらいの怖い声
イライラしてるんだ
「ルナ、久しぶりね」
「………」
「ルナ?ちゃんと挨拶して?お母さんでしょ?」
「やだ…この人ダメって言った…産んでないって言った…ママじゃない……」
下を向きながらフラッシュバックしてきた
この人との出来事を言葉にしていく
「ルナ、あなたは私の子供よ。あの時は頭が回らなくて言っちゃっただけだから。ママって呼んで?」
…なんで
「………」
そんなの嫌だ
あの日から辛かったんだ
存在を拒否されたルナの気持ちを誰が分かる
「ルナ、帰っておいで。こんな家じゃなくてちゃんとパパもいる家に。」
「こんなってなんですか……」
「こんな家に1人でいるのつらいで「こんな家ってなんですか!」
「ルナ」
大ちゃんが後ろから手を握ってくれる
でもこのイライラをぶつけないと気が済まない
「この家じゃなきゃダメなの!あと新しいパパなんていらない!1人でもいい!」
「ルナ!私はあなたとやり直したいのよ…ねぇ…お願い…」
泣きながら言ってくるけど
「じゃあ何でパパと離婚したの!」
「それは……」