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秘密

第27章 共

※大野side

辛そうな顔してるルナを置いてなんて行けなくて

「俺もうちょいここいるわ」

そういうとニノも

ニ「俺もいます」

って



気になるんだ
さっきの言葉
「しょうくん」って言った意味


強く目を瞑って何かに耐えてるような顔
俺らはルナの顔をひたすらに見ていた

きっと起こせばすぐにわかるんだ
でも俺らにそんなことできなかった

辛いんなら起こしてあげたい
翔ちゃんの名前を呼んだワケを知りたい

その思いとは裏腹に
不安なんだ



俺らの元から離れていっちゃうんじゃないかって

翔ちゃんのとこいっちゃうんじゃないかって




「しょうくん…うぅ…」

声ははっきりしているのに意識は夢の中

溢れる涙の数が多くなってきて
次第に手が上がってくる

「いかないで……」

空気を切る手



「ルナ……」

その手を握ろうとした瞬間
ニノに阻まれた

ニ「…」

無言で首を振るニノ

「…なんで…こんなに…」

こんなに苦しんでるのに
闇から放ってあげたいのに
ニノに阻まれた手に力が入らなかった

振りほどけるくらいゆるく掴まれているだけなのに


それだけ怖いんだ
この真相を知ってしまうのが

せっかく手に入って幸せを
逃してしまう気がして




「やだ……しょうくん…しょくん」

溢れ続ける涙

俺たちは手をつないでその姿を見ていた


ゆっくりと開いていく目
その目はどこか怯えていて苦しそうで寂しそうだった

俺らを見るとすぐに「翔くんは…翔くん……」って


恐れていたことがすぐに襲ってきた

ニ「翔さんは…お家にいるよ」

握っていた手が震えているのがわかる
でもそれは俺も同じで

失うのが怖いんだ






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