秘密
第28章 悩
「大丈夫ですか?」
お見送りが終わったのか珍しく話しかけてくる
「さっくんはさ、ルナがいない方が楽?」
これだけは聞いておきたかった
ルナがあの人たちと暮らすってことは
さっくんとはお別れなわけで
良く言えばルナのお世話をしなくていいんだ
「楽かどうかはわかりません。でも私は正直この家にいたいです。ルナ様のご両親はあのお母様と今は亡きお父様だけだと、思いたいです」
「さっくん…ルナも嫌だよ。さっくんと会えなくなるのも、パパが代わるのも…」
「ルナ様の判断にお任せしますよ。ここにいたいと思っていただけるのなら、私はあなたのお世話をこの先もずっとさせていただきます。でももし、家族が欲しいと思ったらあの二方の元に行くという手段があります。少しでも考えてみてはどうですか?」
「そうする…」
ソファに寝転がり目を瞑った
ひたすらに想像した
あの人たちと暮らした時のこと
でもどれも暴力につながってしまう
少しでも悪いことしたら
あの時みたいに殴られるんじゃないかって
ねぇパパ…
パパはどう思う?
…やっぱりルナにはパパが必要だよ