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秘密

第29章 別

※大野side

後半の仕事を終え楽屋に戻ってくると
テーブルの上に1通の手紙が置いてあった


見つけたのは松潤

誰もその封筒を開けようとしなかった

宛名も何も書いていない真っ白の封筒


ニ「大野さん…」

相「リーダー…」


子犬のような顔で俺を見つめてくる

俺に開けろって言いたいんでしょ
まぁ一応リーダーだから……


俺は仕方なく封筒を開けた
それを覗くようにして4人が集まってくる


「いくぞ…」


みんなが頷いたのを確認して俺は便箋を広げた



「……なんだよこれ」


文章はとても短いものだった

『大野智さん櫻井翔さん相葉雅紀さん二宮和也さん松本潤さん
今までありがとうございました
とてもたのしかったです
月はぱぱのところにいきます

近藤月』




封筒から落ちてきたCD
ディスクには『愛し(かなし)』
と書いてあった


漢字…
ここに使われている漢字は全て
ニノと3人で泊まった時のものだった

全てこのためだったんだ


なんであの時気づいてあげられなかったんだろう
ルナの死は既に決まっていたことに



俺らはしばらくの間言葉を失っていた

松「今日って…」

櫻「マッチさんが亡くなってからニ年だ…」



その時俺のケータイが鳴った
相手はさっくんだった

ルナはお父さんであるマッチさんの
仏壇が置いてある部屋から
飛び降りたらしい


病院に駆けつけた時
もうルナの顔には布がかかっていた

布を取ると幸せそうな顔で眠っていた
身体中に傷があった
飛び降りた時にできたものだという


俺らは泣いた
ただただ泣きわめいた

守れなかったという罪悪感
ルナを失ったという失望感

脳裏をよぎるルナの笑顔
出会ったばかりの時の怯えた顔
辛い時に流した涙



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