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秘密

第14章 言えない

※大野side

『助けを求めてる人は毎日「助けて」と叫んでる
でもその音が続くとどんどん
聞こえなくなって無感覚になっていく
1回目は「助けて」が聞こえる
でもそれはそのうち「騒音」になる
そして「騒音」は「静寂」になっていく
こんな風に言うと難しいかもしれないけれど…
世界から音が消えたことを「幸せ」と呼び
消えてしまった音は「騒音」になる
世界から叫びが消えたことで
僕らは「無感覚」になる
叫んでいた人たちは、
まるで最初からいなかったように』


俺らが聞いていた部分の歌詞

翔ちゃんは落ち着きを取り戻していて
「ルナはもともとお父さんを亡くして、俺らはたくさん笑って欲しくてやってきたけど、ルナはどこかで自分を抑えていたのかな…」
ボソッと言ったこの言葉

そうだ
ルナを1人にしないって目的で始まったルナとの関係
最近はお父さんのことすら口にしなくなった
これにどうして気付けなかったんだろう
口にしなくても表情でわかったはず
あのキラキラの笑顔の裏にある
ルナの本当の苦しみを


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