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秘密

第2章 事実

家に着くとすぐリビングに向かって
棚の上から3番目の引き出しを開ける

そこには『1人で目をとじてきいてね』の紙とCDが入っていた

急いでプレーヤーを出して1人部屋にこもってCDをかける

♪〜
同じとこに開けたピアス
お前のだけやけに光って見える
おれもいつか輝くかな
お前みたいに世界愛せるかな
おれの心滅びようとも醜く朽ち果て息引き取ろうとも
その最後の一瞬だけでもお前が見てた世界見てみたいの

一粒の涙が溢れた
でもすぐにそれを拭った

泣いちゃだめだ

でもなんだこの歌
すごい

【パパはどんな人だったのかな】

ピアス…ルナはいつも宇宙飛行士とロケットのを付けてた
パパはダイヤモンドみたいなピカピカしてるやつ

パパの方が光ってた確実に

だけどパパはルナのが光ってるって言ってるんだ
どうして

ルナが見てる世界はどんななのかな

目の奥で広がっているのは宇宙
たくさんの星

この世界はとても美しい


コンコン

「ルナ?ちょっといい?」

長瀬くんだ

「ちょっと待って」

急いでCDを片付けてドアを開けた

「大丈夫?」

「大丈夫だよ」

「お葬式なんだけどさ、」

「うん」

「全部さっくんに任せていいかな?」

「いいよ。ルナじゃ何にもできないし」

「わかった。じゃ、俺そろそろ帰るね、時間遅いし」

「うん。今日はありがとう、バイバイ」

「じゃあな」

お葬式か…

パパ死んじゃったんだよね…

トボトボしながらリビングに戻ると
さっくんは夜ご飯を作って待っていてくれていた

さっくんがいるんだ…

「ルナ様遅くなりましたが夜ご飯です。少しでもいいので食べてください。」

「ありがとう。いただきます」

いつもはパパと食べるご飯
今日からは1人なんだ

そう思うと悲しさがこみ上げてくる

いつもの当たり前が当たり前じゃなくなったんだ


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