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秘密

第17章 前進

*大野side

「教えて」

こう言われたのは俺と2人っきりで楽屋にいるとき
自分に何が起こったのか知りたい。だから教えてって

俺は正直迷った
教えるのが普通だ
だってルナのことなんだから

「大ちゃん?」

「行こう」

ちゃんと話すつもりだった
でもなぜか体が動いたんだ
俺はルナの手を取り部屋を出て歩き出した
あの人のいるところへ

案の定控え室にいた
ソイツは驚いたような顔で俺らを見つめてくる
周りにいたスタッフさんたちにも驚かれたが
そんなの気にしていられない
俺は適当に挨拶をしてズタズタと奥に進んでいった
ソイツの前で立ち止まる

ルナの顔を覗くと顔を強張らせた
緊張じゃない
何かと戦っているような

ルナはソイツの顔を、体をじっくり見ると
俺の後ろに隠れてしまった
見てみると「戻る」って口パクで言われたんだ

きっと思い出したんだろう
思い出さなければよかったのにって心のどこかで思ってしまった
あんな過去なかったことにしたいって

廊下に出ると

「誰?あの人」

「え、思い出したんじゃなかったの?」

ただの人見知りか
俺は安心した
顔を見て思い出さないんだ
だからもうルナがあの過去について思い出す必要なんてない

新しい人生を歩めばいい

「思い出すって言っても、あの人知らないもん」

「そっか。ルナ…もう知らなくてもいいんじゃない?」

「嫌だよ…だって、だって」

また何か隠してる
それを話そうとしてくれてる
俺は直感でそう思った

だから「戻ってからね?」って言って
楽屋に戻ってきたんだ

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