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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第26章 キキョウ

Sho side

潤の隣で横になったものの
沸上がった熱は収まることもなく…

眠れないまま潤を抱きしめていた

でもそのうちに,また潤の躰が熱くなってきた気がして

覗き込むと,躰や顔がまたぐっしょりと濡れていた

さっき着替えた服もまた濡れていて

急いでタオルを持ってきて濡れた場所を拭いた

目を覚ましてしまった潤は
まだ辛そうに無理して笑う

冷たいモノが欲しい…という言葉に

アイスだのゼリーだの買って来たのを思い出した

…あ…そーいや薬も飲んでないじゃん…

薬も飲ませないで…何やってんだ…

反省しながらアイスと薬を持って寝室へ戻る

翔「アイス食べたら薬飲もうな…」

アイスの蓋を取って手渡すと

ゆっくり受け取ってアイスをじっと見つめている

あ…そっか…

熱を出した潤は甘えん坊なんだ…

普段は強がってなかなか甘えてこないけど

弱ってる時は凄く寂しがり屋だし…

翔「食べさせてあげる」

ベッドに座って,渡したアイスをもう一度手に取った

少し救って潤の口に運ぶと素直に口をあけた

翔「あ…零れた…」

少し大きく取りすぎて
スプーンから口の中に入らなかったアイスが
口のはたから垂れる

深く考えずに
それをペロっと舌ですくった

潤「あ…っ…」

潤の躰がピクンと跳ねて
恥ずかしそうに顔をそらして呟いた

潤「風邪…うつっちゃうよ…」

…今さらそんなこと言う…?

思わず笑いが零れて

アイスで冷たく,甘くなった唇を塞いだ

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