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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第28章 レッドゼラニウム

Jun side

俺は淋しかったのに…

翔くんの“ごめん”が軽くて…

とりあえず謝って終わらせよう
そう思ってる気がして…

キスから逃れるように翔くんの躰を押した

でも思いの外手に力が入っていて
翔くんがバランスを崩した

あっ…ごめ…

でも俺がそれを口にしようと
吸い込んだ息を吐き出す前に

翔「オイ…ひどくない…?謝ってんのに…」

怒りを含んだ翔くんの声が耳に入ってきて

潤「…っ…翔くん,悪いと思ってないのに…めんどくさいから謝っただけでしょ…」

俺の口から出てきたのは謝罪ではなく
さっきまでより低くなった声だった

あ…と思ったときにはもう遅くて

翔「そんなこと思ってねーよ…大体,起きなかったのは潤だろ?」

返ってきたのはキツさを増した言葉

それに俺も思わず起き上がって
俺を見るその視線を強く睨み返した

潤「やっぱり俺が悪いと思ってんじゃん!ごめん,なんて適当だったんでしょ!?」

翔「俺だけが悪いわけじゃないだろって言ってんの!」

翔くんからもキツく見つめ返されて

その視線を逸らしたら負けな気がして
ぐっと睨む瞳に力を込める

翔「潤がちゃんと起きれば俺だって待ってるよ!」

そんなこと言ったって…
俺だって起きれるもんなら起きたいんだよ…!

潤「それならもっとちゃんと起こしてよ!あんなんじゃ起きれないし!」

だめだ,とどこかで思ってもいるのに
荒らげた声は抑えられないまま
翔くんに言葉を投げつけた

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