過激BL短編集
第12章 たこ焼き〜外はさくさく中はとろとろ〜
やっと正気を取り戻してきた。
初めてセックスで壊れた気がする。
すごく気持ち良かった。
「なぁ、見て?あそこ」
実が布団にくるまってカーテンの隙間から少しだけ見える空を指差す。
「2つ星あるやろ?大して大きくもないのに並んでる。俺らみたいじゃない?」
名前も知らない星が2つ。
詳しくないから何座かもわからない。
「左は智、右は俺。暗闇に包まれて、地球の光に消されそうになっても、少しの希望を、光を纏ってたい。智と2人並んでさぁ。頑張れよ」
ぎゅっと実に抱き寄せられる。
ロマンチックなこと言いやがって。
「頑張ってるわ」
照れ笑いをしながら何かの壁を壊した気になる。
距離縮まったかな。
「知ってる」
「ちゃんと見てるよ、俺は」
end