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にじいろ。

第6章 俺達の夏。

海に向かって歩く俺の後ろを
かずがパタパタと音を鳴らして
着いてくる

俺、歩くの速い?

振り返って手を差し出すと
かずがギュッと手を握った

こんな風に手を繋いで歩くなんて
初めてだ


和也「…なんか、幸せだね♪」

雅紀「幸せだねぇー♪」


男女の恋人同士なら
ごく自然な日常なんだろうけど。




砂浜に着くと
かずは歩きにくそうで

雅紀「裸足になってみ?」

提案してみたけど

和也「熱っ!あっつ!!」

ピョンピョン跳ねる姿が
フライパンの上のポップコーンみたいで
あんまり可愛くて爆笑したら

和也「とりゃあっ!!」

俺の背中に飛び乗ってきた



雅紀「うわ!何してんの!」

和也「ふふっ♡俺を笑った罰だ♪」



かずをおんぶしたまま
砂浜を歩く。

と、思わせといて
90度方向転換し、海に突進するフリをすると

和也「え…!あ!そっち海!海!海だっつーの!」


背中で慌てて暴れまくるかずを
波打ち際まで連れてって
そっと下ろすと
海の冷たさにキャッキャはしゃぎながら
飛び跳ねたりクルクル回ったりしていた

俺は砂浜に座って
そんなかずをずっと見つめてた

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