テキストサイズ

にじいろ。

第7章 二人の夏。 

智「翔くん?」


智くんの声で目が覚めたけど
身体が怠い



智「ごめん…」



なんて顔してんの(笑)

きっとみんなが心配してる
なんとか説得して
先にリビングに降りてもらった



目を瞑ると
貪るように俺を求めた昨日の夜の智くんが
脳裏に浮かぶ


『翔…翔…』


耳の奥に未だ残る声
うつらうつらと
変性意識の中を微睡んでいた





先に進みたかったのは
俺だけじゃなかったんだ
智くんだってホントは
そうしたかったんだね

不器用なあの人の
優しさが好きだ

綺麗な指も
サラサラの髪も
華奢な身体も
全部好きだ



ずっと
ずっと

一緒にいようね、智くん。




『ずっと一緒に居るよ』

智くんの声が聞こえた気がした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ