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にじいろ。

第17章 君が嘘をついた。

翔「せめて服脱いでからおいでよ(笑)
ハイ、バンザーイ」


頭の先からずぶ濡れになってた俺の
スウェットを脱がせてくれて
身体を流してくれた




翔「智くん?抱きついてちゃ洗えないよ?」


手を離したら
翔くんが居なくなっちゃうような気がして。


翔「智くん?おーい?」



智「やだ…」

翔「…え?」


智「やだよ、翔くん…何処にも行かないで…」



俺が入院した時
『もう会えないんじゃないかと思った』
と言って泣いた翔くんと自分が重なった
失うかもしれないという不安から来る恐怖を
あの時の翔くんの恐怖感を
思い知らされたんだ



翔「…何処にも行かないから」


智「…ホントに?」


翔「ホントだよ」



智「もし…もし翔くんが遠くに行くことになったら…
俺も一緒に行くから」




今はまだ
翔くんの口から言ってくれなくてもいいよ
だけど
俺を置いて一人で行こうなんて考えないでよ


今だけじゃなくて
5年後も
10年後も
おじいちゃんになっても




智「ずっと翔くんの側に居させて…」

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