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オムツン

第21章 二十一枚目

何も私達の会社のやり方が悪いのではない。

地元に根差した仕事は評価されている。

だが、大会社と競合すれば、全く勝ち目はないといだけだ。

だから、コウスケさんは、会社の良いところを売り込み、そのままの形を保ち、形式的に大会社の傘下に入ろうとしているのだ。

コウスケさんは、大会社にへりくだるのではなく、『契約』するつもりで臨むことにしたのだ。

私はコウスケさんに賛同して、仕事を手伝っている、というわけだ。

しかし、社長が断固、大会社に立ち向かう姿勢でいる以上、私達の計画は、会社に対する背信と捉えられる可能性は高い。

うまくいけば、社長は大会社の役職に就かせることもできるだろうが、下手をすれば社長を追い出すことになるかもしれない…。

また、計画には何段階も難関が想定される上、秘密裏に進めなければならず、成功するかどうかはわからなかった。

もし、失敗すれば、私もコウスケさんも会社を去らなければならないだろう…まあ、私達が去ってから会社が倒産するまでそれほど時間はかからないだろうが。

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