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オムツン

第30章 三十枚目

株主総会が行われた。

コウスケさんが社長に直訴した結果だ。

「このままでは会社は潰れます。手立ては合併するしかありません」

残念なことだが、もちろん、社長はこの提言を受け入れなかった。

しかし、一代で築き上げただけの度量はあった。

ーそのような社の大事は、社長と言えど一存では決めれぬ。
株主達の意向も聞かねばならん。
総会にかけよう…

自ら大会社と合併し、軍門に下るという選択肢は選べないが、このまま意地を張っていれば、いずれ会社はたち行かなくなる。

それをわかっていての社長の苦渋の選択だった。

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