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カミカゼ短編集

第2章 「セックスってそんなイイ?」    …A×N

「あー、おっかし…」

そんな俺を無視した無遠慮なコイツは

散々笑った後、目尻に浮かんだ笑い涙を拭いながら

「ねえ、見ようよ。ソレ」

お天気お姉さんのDVDを指差した


「今!?」

「んふふ、今」

「え~っ!何だよ散々笑ったくせに」

「だって何か気になってきたんだもん」

そう言われると、俺も何だか気になっちゃって

「もぉ~、しょーがねーな~」

DVDをプレーヤーにセットした




『ァン…ッ、あ、明日の天気は全国的に、ぁッ、晴れで…』

画面では、本番前にローターを体の中に仕込まれたお天気お姉さんが

ミニスカートをモジモジさせながら天気予報をする

本番が終わった途端、ディレクターに呼び出されて

『ああン!だめ、ソコォ…ッ!』

ビチョビチョのアソコを弄られてヨガッてる


期待してたよりも雑な作りで、女優さんも演技が下手

正直、なんでコレ買っちゃったんだろ…って感じ

『あ、アッ、イくっ!イッちゃう!』

盛り上がるシーンなんだけど、わざとらしいヨガリ声に興ざめで

チラッと隣を見ると、ニノも冷めた感じで画面を眺めてる


「相葉さんさ~、こういうのが好み?」

「…ん~、正直期待はずれ」

「んははっ、ご愁傷様。高い金出したのにね~」

そんな会話の間にも、画面ではズッコンバッコンやっている


それを眺めたまま、ニノが

「ねえ…。セックスって、そんなイイ?」

突然ビックリするような事を言い出した


「えっ!?なに?突然」

「…いやまあ、ふとした疑問なんですけど」

「え?セックス嫌い?」

「ははっ、嫌いではなんだけどさ」

「嫌いじゃないなら何なのさ」

言ってる意味がサッパリ分かんないよ


「んー…。強いて言ううならさ、セックスって何か不公平じゃない?」

「…どこが?」

「言ってみればさ、男のヤッてる前戯なんてご奉仕みたいなもんじゃない?
女の子は寝っ転がって歓んでるだけでさ~」

「え、楽しくない?」

「…楽しい時期もあったかな~、若い頃とかさ」

「クフフッ、年取って楽しくなくなった?」

「メンドイな~って思う時ない?」

「ぜ~んぜん無い」

「はあ…、アンタはポジティブでいいねぇ」

単なる下ネタ話かと思ったら

ニノの表情を見るとそうでも無さそうだ


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