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アスタリスク【ARS.O】

第6章 現実の生活

「ひでぇな…。俺、ちゃんと仕事してるし、給料もあるぞ。」

「またいつ捨て猫になるかわかんないじゃん…。」

「黙れ。もう寝ろ。寝つくまでいてやるから。」

「ん…。」

俺は、歌を歌ってやった。

昔、母ちゃんが歌ってくれた子守唄。

アキの布団をトントンしながら歌ってやった。

「オジサン、歌上手いのね…。」

「たまに言われるよ。」

しばらく歌ってやったら、アキは寝ついた。

俺はそっと部屋を出ると鍵をかけ、ドアについてる郵便受けに鍵を落とした。

「俺だって、ココアのCMしてんだぞ…。」

俺はマンションの階段をおりると、タクシーを拾うために大通りへと足を進めた。

渡しそびれた粟おこしは、ディバッグに入ったままだった。

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