テキストサイズ

☆ラリマーの扉☆

第18章 オレ様王子と感情薄き王女  ~脱出~

「そんなに帰りたいと望むなら、オレを刺せ…」

それを聞いた瞬間ホルリはおどろいた。
えっ!となったのが分かる。

「なぁ、刺したくてたまんねぇんだろ?」

手招きをし、挑発する。

刃物を握るホルリの手はかすかに震えていて…おそろしい顔をする。

「あ……」

「刺さねぇのか?ホルリさん」

言うとカタカタ震えるホルリ。

「……」

まだ刺そうとせぬか。

仕方ない。まだまだ誘惑するか────

「オレは自殺しないぞ、これはホルリの選択だと思え」


──…

ホルリは、迷っているさなかか。
刃物を取り上げる前ならば、勇気満々で
刺していたのかもしれないな?




「…殺します。貴方を」



────…そう、言ったか。


「へへっ、なら来いよ」



ホルリは、一歩二歩、歩きオレの前に包丁を
向けた。


そして何も言わずホルリは

キッと睨んだまま、お腹のあたりを刺した…

3センチか4センチ入れたとこだ。


痛みが伝わる。

「ホルリ…」

「貴方…」

そう言い合わせると、グサッと刺した……。

血まみれのオレは
フッと笑い、眠るように死んだ────…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ