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☆ラリマーの扉☆

第25章 深緑の王女の役目

「私の役目も終わりを告げるのか…」

メルレは涙を流しながらも祈った…

祈ると、ますます体が透明になっていく…

「メルレ…」

役目を終えてしまうなら最後に名前を呼びたい…

「アズヤ…」

体はもう、透明どころか消えゆく…

「ありが……と」

完全に消えゆくと、木は眩しいくらいの光に
包まれた。

もう目も開けてはいられないくらいの
強い光だった…。




強いその光は木々を倒し

未来のある深緑の森になった…

太陽のさす、自然の森に生まれ変わった…


「メル……レ」

涙を出すアズヤ。

もうメルレはいないんだ。

役目を終えてしまったから。
 

もう少し君を知りたかったけど
もう居ない…

でも…

手伝えたのが少しだけ幸せ…


日の射す森を
少しだけ眺めて

あの大きな木の向こうの道へ
進んでいった─────…

「深緑の王女の役目」終

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