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プリンス×プリンセス

第82章 改めて誓う

ディオの手がリボンに触れる。

「解いてもいいか?」

「やめ…っ!」

咄嗟にディオの手を払おうとして――

逆に、手を掴まれた。

「神の前で偽らない方がいい」

ディオがニヤリと笑う。

そして、リボンを解かれた。

シュル…

固く結ばれたはずのリボンは簡単に解けた。

それと共に、パサリと乾いた音を立てて、大切なものが床に落ちた。

1つにまとめられた、毛束。

ティアナの――姉上の髪、だ。

慌てて拾い、文句を言う。

「粗雑に扱うな!」

「この方がいい」

ディオは俺の髪をすくうと、毛先にキスを落とし

「間違いなく、お前の髪だ」

「……っ…」

こいつは恥ずかしげもなく平気な顔でこういう事をしてくる。

だけど、されるこっちはこっ恥ずかしいし、照れるし、むず痒くて身悶えしたくなる!

その事を分かってるんだか…

いや、分かってるんだろうな。

だからこそ、こんな風にあからさまなんだ。

姉上と入れ替わったのは、内緒だっていうのに――

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