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プリンス×プリンセス

第19章 こんなの間違ってる!

キスされてる。

唇の感触はそれに間違いない。

だけど、何で?

どうしてこうなったのか、全く理解できなくて…

身動きもできず、ディオの唇を受け止めていた。

唇が離れ、何も考えられず1度だけ瞬きをしたら

「ぅん…っ!!」

ディオが、再び唇をふさいだ。

顎を捕らえていた指が離れ、手のひらで頬を包まれると、さっきより上を向かされて

「ふ…んんっ」

苦しくて開いた唇の間から、舌が入ってきた。

コーヒーの香りがする…

そういやこいつ、さっきまでコーヒー飲んでたな。

俺は入れてもらっただけで、コーヒーに口をつけることはなくて…

そんな事を呑気に考えていたのはそれまで。

口の中に侵入してきた舌が、縮こませていた俺のそれに触れた。

初めてのディープキス。

舌が絡み付く初めての刺激に、背中がぞわぞわ騒ぎだした。

「ん…っふ…」

逃げたいのに、ディオの手がそれを許してくれない。

必死で離してもすぐに塞がれてしまう。

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