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プリンス×プリンセス

第26章 謝肉祭

ディオから顔を背けて、パレードに視線を向けながら弁明する。

「そうじゃないけど…うわっ!?」

パンッ!!

突然大きな破裂音が響いた。

それに気をとられたせいで、手すりを掴んでいた力が弛んで…

「テリオス様!!」

従者の誰かの声が聞こえた。

それと同時に、体を引っ張られる。

「おい!!」

あ…。ディオが支えてくれたのか?

「悪い…」

ゆっくりとディオから離れると、両手を握り締める。

おかしいな。

何でこんなに体が震えてるんだ?

「危ないと言った筈だが?」

ディオのいつもの嫌味な口調にも、反撃する余力もない。

「今の音は、風船が破裂したものだそうです」

その報告に、従者とSPの警戒も解けて

「お怪我はありませんか?」

従者の問いかけも、笑いを含んだものに変わる。

「あ…うん、大丈夫」

音にビビるなんて、カッコ悪いよな…。

照れ笑いを浮かべた俺に、ディオが冷たく言った。

「大人しくしていろ」

…分かったよ!!イヤミ王子め!!

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