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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

「ここまでだな」

ディオは目を細めてそう言うと、指を離した。

なのに、唇に感触は残ったままで…

「今夜、部屋へ来い」

へっ!?

突然の誘いに、返事すら出来ずにただ見ているだけになってしまった。

ディオは俺の頭にポンと手を置くと

「続きはその時に」

囁くように告げられて、頬に熱がこもる。

続き!?

続きって…

焦る俺に、ディオは小さく笑みをこぼすと

「待っている」

そう言い残して、ジュークの声がした方へ歩いていった。

その後ろ姿を、呆然と見つめるばかりで…

続き!?

話、だよな!?

今の、話の続き。

大きく息を吐き、赤くなってるだろう顔を手で隠す。

「惑わせんなっての!!」

顔が熱い。

ディオを好きだって自覚してから…こういうのが困る。

どれが正解か分からなくなる。

分からないと言えば…ジュークの母親。

前は、一夜限りの間違いとか言ってなかったか?

なのに、あの言い方は…未練があったようにしか聞こえない。

どういう事だよ!?

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