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プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

「まだなのですよ?」

事実を告げているだけなのに、何かを隠しているかのように勘繰られたり、探りを入れられたり…

けれど、そんな反応を示す人は、笑顔を浮かべている。

誕生を喜んでいる証拠だ。

少し浮かれすぎてないか?と思うほど…周りは喜んでいるのに…

ディオチェスター様の反応に、ため息しか出てこない。

国王との面会を取り付けて、ディオチェスター様の部屋へ戻る。

ちょうど着替え終わった彼を伴い、再び国王の元へ向かった。

外遊先での報告。

口頭のみの簡単なものを終えると、国王が切り出した。

「子供が産まれたようだな」

「そのようですね」

「落ち着いたら顔を見せにこい」

「分かりました。近いうちに」

二人の会話を聞きながら、心の奥底で思う。

相変わらずだ。

親子の情とかを感じさせない会話。

この二人を結んでいるものは何なんだろう?

「では失礼します」

俺がそれを見つけ出す前に、ディオチェスター様は退室の挨拶を口にした。

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