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プリンス×プリンセス

第66章 湖畔の少年

旅行?

こんな時に?

てっきり冗談かと思っていたのに、スケジュールの調整をし始めて、ディオはより忙しそうに執務に追われていた。

そして…

「マックスの一歳のお祝いに出掛けないかと、ディオが誘ってくれたの」

嬉しそうに話す姉上に、「そうなんだ」と返すものの、俺の心中は複雑だった。

何だ…。

てっきり俺と行くって話かと思ってた。

自分の考えに、心の中で苦笑いを浮かべる。

だけど、当たり前だよな。

「楽しんでおいでよ」

落胆を面に出さないよう、にっこり微笑んで言ったのに

「あら。あなたも行くのよ?」

「へ?」

さも当たり前のように言われて、ポカンと姉上を見れば

「一緒にお祝いしてくれるでしょう?」

「それはそうだけど…」

「ありがとう」

良かったわね、なんてマックスに話しかけてる。

そういう姿を見てしまうと…罪悪感が湧かない訳じゃないんだけど…

「お祝いして欲しいのもあるけれど、行き先が、ね」

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