
アイツまで徒歩5分
第7章 目覚めた所は崖の上!!
「――――…最知……
俺は、最知の事…なにも知らない……だから、本当に闇雲に探した―――――…
自分が情けなかったよ……
“好きだ”って…言ったわりには……最知の事、何も知らなかった……
だから―――――……
柄にもなく…神様に祈ったよ…
“最知に…会わせてくれ!”って―――――…」
背中が温かくなる――――…
トクン…トクン…と冷えきった体を暖める…
陣ヶ岡さんが…俺を背中から…抱き締めている―――…
「―――――…陣ヶ岡…さん…」
「――――…大丈夫か?怖くないか?
このまま…抱き締めてていいか?」
怖くは…ない…
一関に――――…あんなことをされて…
体が…拒絶反応を起こすかと思ったが…
逆だった――――――――…
優しく抱き締めてられて…
不安や恐怖…屈辱が…溶けていく…
「―――――…こわ…かった…
痛かった――――…
今も…全身痛い………」
陣ヶ岡さんは…そうか…と、言いながら俺を優しく抱き締めてくれた…
「――――……陣ヶ岡さん」
……会いたかった…
