アイツまで徒歩5分
第7章 目覚めた所は崖の上!!
『陣―――「俺は、お前を殴りたい……
殴って…殴って、殴って殴って…
その、すました顔を…ボコボコにしてやりたい!!」
沈黙が続く―――――――…
一関も解っている…
自分がしてしまった事の償いがそれで出来るなら…と、
覚悟してるだろう―――…
「――――…でも、しない…
お前は、最知にした裏切りの罪悪感を背負ったまま…その場から立ち去れ――…?
どうせ、アパートの前で…捨て猫みたいに震えて帰りを待ってるんだろ?」
『―――――…俺は…』
「―――――…今は、会うな…
帰れ――――――――…」
『―――――…はい…』
一関の―――――…
重く苦しそうな“――…はい”が…受話器から聞こえて……
しばらくして―――――…
通話は切れた―――――…
今は、一関も…最知も…
互いの…罪に…向き合わないといけない気がした…
もちろん…最知も…
一関を…追い詰めた…罪を…
究極の鈍感は……
罪…なのだから…