テキストサイズ

白い世界

第1章 ぜろ






何もかもを置き去りにして
全力で逃げ走った



僕の体は悲鳴をあげ、
足が動かなくなってきた



うまく走れなくなった僕の足は
小さな段差に躓き転んだ



かすり傷で膝から
少しだけ血が出はじめた




何も履かずに走っていた足の裏は
傷だらけになっていた




「…いかなきゃ」




僕は涙目になりながら
無理矢理体を動かし


また、走り出した






いかなきゃ?どこに向かってるんだろう



僕はどこに行きたいんだろう




そんな事をぐるぐる考えながら
走り続けていた






ストーリーメニュー

TOPTOPへ