Brilliant Brand blood
第3章 宵の果てに置いた記憶
少し離れた渡殿から二人を見る。
記憶の向こうで炎が揺れ、木々の弾ける音がする。
灰の匂いが鼻をくすぐる感覚に、忘れたいあの日が迫って来る。
あの日、横侯隆と雛の名をもらうはずだった村上信五は、故郷を亡くし、自分も働く場所を無くした。
横「忠…?一緒に行こか…?」
雛「行こかやない、行くで!」
今でも思い出せる。
彼らの笑い声、生きた音、
笑顔を……………。
ヒナちゃんは記憶になくても、身体が忘れない。
忠「逢えるよね……?りょうちゃん……ひろ……………」
約束をした。
二章、milkyway
fin。