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カクテルパーティー

第4章 また違う声が響いて

「あっ、いてて」

入院案内書を数十枚コピーして机の上でトントンしていたら紙の端でつい指先を切ってしまった


「切っちゃった?
不器用…いや
あんまり器用じゃないんだね。
はい、コレ。
クマちゃんだよー」


「ぶはっ!
それ子供にあげるバンソーコーでしょうが。
もっと普通なやつないの?」


「これしか〜んないっ!」


「絶対あるでしょ…
クマちゃんはいらん!」


「これしかないんだってば!ほら手出して」





昨日は結局、帰ってから寝てしまって、この人に電話をかけることはなかった

なんとなく

いざ電話ってなるとためらっちゃうような気も


「ぷっ…」


「…ぷって!」

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