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カクテルパーティー

第5章 言葉はもつれ始めて

「お料理がきましたね」


「あらぁ、おいしそー」


「おいしそうですよね。
三矢さん
さあさ、飲んで飲んで」


とっとと三矢さんを酔わせよう


「ん、橘くんもどーぞ」モゴ



「おいしい!」

「ねー?」

「立花さんもくれば良かったのにね」

「なんで欠席したの?」

「んー、なんか用事あるって言ってましたよ」モゴ


そうなんだ
用事ってなんだろ?


僕は気を取られながら三矢さんに向けてビール瓶を傾けた


「ちょっとー
私を酔わせてどーするつもり?」

いやいや


「え!?やだ
三矢さんには婚約者がいるっていうのにー」

いやいやいや


「送り犬、橘君」


「そんな人は先に酔い潰れてもらいますからね!」

まずい展開


「…もうっ
はいはい了解です」


少し間が空いた



「…ところで、出水先生と立花さんは…」


「ん?何?」モゴ

いや、変だな
この流れ


でも…



「付き合っているのかなー


って聞きたい?」


三矢さんは目を合わせずそう言って、目の前の刺身を箸で一切れつまむと、僕の醤油とわさびの入った小皿に付けて口へと運んだ

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