レモンスカッシュ
第1章 S/N
N side
初めてはラブラブで。
「愛してるよ。」って
何度も翔が言ってくれて。
俺もいっぱい
「愛してる」って言って。
思い出しただけで幸せになれるような、
そんなとっておきのー
「って、ぜんっっぜん違うじゃん!?」
朝。
横を見れば、清々しいくらいに
ぐっすり寝てる翔。
…ずるい。
「んっ…。和…。」
寝癖ついてるし。
スウェットが捲り上がって、お腹見えてるし。
翔の方へとにじり寄って、
その腹筋にキスをする。
「…ひゃっ…。」
え。可愛いじゃん。
俺の悪戯心に火がついちゃって、
もっともっとキスを落としていく。
少しキツめに吸い上げて、痕を残す。
紅い華が可憐にいくつも咲いていく。
その間も、
「ぅあ…んんぅ。」
悩ましい声を出してる翔。
「はっ、出来たぁ♡」
さ、あとはしーらないっ。
朝ご飯作ろ。
「わぁぁ!」
寝室から叫び声。
…と思ったら、ドタドタと物凄い勢いで
こちらに向かってくる足音。
「ねぇ、和!?」
「あ、翔。おはよ♡」
「おはよ♡
じゃなくって!」
何のことを言ってるのかは、
だいたい想像がつく。
「これ、何!?」
「何って…。
ふふ。
俺のってこと♡」
首を傾げながら言えば、
ぼっと顔が赤くなってる。
翔って、意外と単純。
「ほら、ご飯食べよ。」
「ちょ、これどーすんだよ。」
「はいはい。」
ぶつぶつ言いながらも、座ってくれる。
「はい、あーん♡」
「これ、どーすんのー…。
あ、美味しい。」
「でしょ?
愛がいーーっぱい入ってるんだもん♡」
「…。もー…。」
こっちに歩いてきた、と思ったら、
ひょいっと俺を抱えあげる。
「え!?」
「もう我慢出来ない。」
「え、嘘。無理無理。
ご飯は!?ねえ、
お腹空いてないの?」
「お腹はキスマークでいっぱいなの。」
「わぁぁああ!」
これが俺たちの形
…なのかな。
-end-