レモンスカッシュ
第2章 O/S
O side
絶対に、俺よりも先に起きる翔。
絶対だよ?
絶対に翔の方が疲れてるのに。
昨日も、そのー…。
ヤっちゃったから、疲れてると思うの、翔。
年末は忙しいし、
仕事も結構ハードだったんだけど、
ヤっちゃったから。
…可愛かったなぁ。
仕事中とのギャップにやられちゃった。
だけど、好きだから。
すごく可愛いから、激しいこととか、
ひどいことは出来ない。
足りてる、って言ったら嘘になるんだけど…。
無茶なことはしたくない。
だって、あんなに可愛いんだよ!?
壊れちゃいそうで怖いんだ…。
今日の朝もそうだった。
起きてみれば、隣にいない。
天使みたいなあどけない寝顔が見たくて、
今日は頑張って早起きしたんだよ。
いつもの、
「あと5分ー…。」もしないでだよ!?
俺、やれば出来るヤツだから。
でも、いない。
開いてる寝室のドアから、
コーヒーの匂いがしてる。
優しいよね。
俺が起きちゃうからって、
ドアを閉めてないんだって。ふふ。
「リビングか。」
ちょっとだるい体を起こして、
リビングへと向かう。
「おはよ。」って挨拶をしようとしたら、
ん?
何か難しい顔してない?
「パンチがねぇーんだよな…。」
パンチ…?
猫パンチ的なヤツ?
翔って、そんな遊びがしたかったの?
ボクシング?
猫パンチ?
コンソメパンチ?
まだ寝ぼけてる頭で考える。
「どうしたんだろ…。」
翔が深刻な悩みを抱えてたのは
分かった。
だけど、この時は、まだ翔が
何を考えてるのか分かんなかった。
「だからって、これはやめてよ!翔!」
「んー?ふふ。」
背筋が凍るような笑顔。
俺、やばい?