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レモンスカッシュ

第4章 M/A


A side



アラームが起床の時間を告げる。


もともとあまり得意じゃない朝は、高校に入ってからさらに苦手になった。


バイトに学校、課題。

どれだけ時間があったって足りない。ろくに寝る時間もない。



何でこんなこと…って考えたりしたこともあったけど、それも無駄だって気がついてからはやめた。


家庭の事情だって分かってても、割り切れない部分だってある。

まだ俺はそこまで大人じゃないから。

やりたい事をやれないこの環境があまり好きではない。



だけど、そんなことを語ってみたところで、現状は何も変わらないから…。



「行かなきゃ…。」


行きたくないけど、やらなきゃいけないんだから。

やるしかない。


留年なんかしちゃって、こんな地獄のような生活が1年延びるのだけは勘弁してもらいたい。




それにしても、体がだるい。

熱とか、そういうのではないと思うんだけど…。
元々体が強い方ではない。


最近、ろくに寝てないからかな…?
そういや、夜ご飯もまともに食べてない。



なんとか重い体にムチを売って、自転車に跨る。



ふらふらの体で学校へと向かって、職員室で松本先生の姿を探した。


先に行って待っててくれと言われて、指定された教室へと向かう。



ずらっと並んだ机の中の1つに突っ伏した。

立っていられないほど、ではなかったけど、体は重い。



「ちょっとだけ…。」


寝過ごすヤツの決まり文句を残して、気が付いたら寝てしまっていたみたいだ。

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