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レモンスカッシュ

第4章 M/A

「俺、今まで、恋した事とかなくて…」


ちょっと俯きながら、
でもどこか、


…強さを秘めていて…。

「だから、にのりん先輩が、ちゃんと恋してるの見て…

良いなって…俺もああなりたいって…」



ぎゅっと俺の手を握って、
ぽつりと呟いた。


「そうか…」


握られた手を握り返せば、



笑顔。




ちょっと儚いけど
前見たときよりはずっと、



力強いもので…





「幸せにするよ…お前のこと」



そっと抱きしめれば


相葉はふふっと笑った。








翌日の朝。

今日は学校が休みだから、そのまま車で病院に向かう。

病室に入ろうとすると、




中から、すすり泣く声。

驚いて勢いをつけてドアを開けてしまった。


「相葉!?どうしたんだよ!?」



俺以上に驚いた顔をして…

「…せんせ、いっ…」


でもやっぱり泣いていて。


「どう…しよっ…」

「何がだよ?」


「お金…ないっ…から…払えないっ…」



なんだよ、そんなことかよ…


「俺が出すって…当たり前だろ?」


「…えっ…?」



目の前には、



心底驚いた、って顔の、


べそかいた、相葉。




「お前、ひでー顔してんじゃねぇーよ」

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