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ずっと隣で笑っていて

第1章 第一話

「いただきます」

俺の定位置にすわり
目の前の智にグラスをかたむける

『翔くん お疲れさま』

俺には聴こえるよ

『翔くん この絵はだれ?』

『ん?智の笑った顔』

『…』

『…』

『ウソー 無理 絶対無理ー』

腹を抱えて笑う姿が幻のように浮かぶ

『そんなひどいかよ』

拗ねた俺に

笑いすぎてぐちゃぐちゃの顔で言うんだ
『翔くんらしくていいよ 俺のことがだーいすき みたいなさ』

『無理して誉めんな』

その通りなんだけどさ

悔しいから言わない
『おれもだーいすきな翔くんの笑顔を描いたんだよ』

そう言って抱きついてくる

『翔くんが俺を忘れないように 残しとく』

『バーカ 何いってんだよ 一生隣で笑ってろ そう言ったよな』

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