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どうか、

第1章 明野の加害。



高木は僕の同僚だ。









それ以外の何者でもないと言われれば嘘になる。回りくどい言い方だが、自分でも後ろめたいのだ。



僕にとって複雑な存在である高木宗平。僕は彼が純粋に好きなようだ。






よく若い子が「その“好き”ってlove?それともlike?」なんて会話をしているのを耳に入れる。

もっとも三十路近い27歳の使う表現ではないが、僕の場合の高木に対する“好き”はいわゆるloveである。




だが嘆かわしいことに、高木は男である。



新卒で入社したこの会社で高木と出会ってからもう5年だが、そのうち2年は少なくとも毎日のように昼晩食を共にして、たまに互いの家に泊まりに行くようなそんな友好的な関係だったと言える。


その後はまあ、今に至るのだが。




高木は別に同性愛者なんかではないし、性的対象も普通に異性、つまり女性だ。

普通の健全な男としていかがわしいビデオでやることやってる奴である。




僕はそんな高木が好きなのだ。






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