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Face or Body

第1章 ヒカル(27)

『あ~ ご無沙汰してます。』
ヒカルは肩を叩いてきた
その男性を
切れ長のキリッとした瞳に
敬意をたたえて言葉を返した。

『今日はどうしたの?休暇?』
とその男。

『はい。実は山口の実家から母が来てまして、いまちょうど新横浜まで見送りに行ってました』
とヒカル。

『ああ そうか、そうか…えっと、確か巻町さんになったんだっけ?お母様は、可愛い娘さんが主婦と仕事の両立ができずに、旦那さんに辛い思いをさせてるんじゃないかと心配だったのかな?』
と冗談混じりにヒカルにささやいた。

ヒカルは
さっき自分がぼんやりと思いめぐらせていた気持ちを見透かされたような気がして
気恥ずかしい気持ちになりつつ
『ムラさんは、こんなところで何を?』
とその男性に問いかけた。

『いやね… 誰かさんと入れ替わりに本部から海浜さんへ赴くこっになったんだよ』
そう微笑みながら
ヒカルの問いかけに答えた。

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