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アキラがヒカルからのメールに
気づいたのは
メール着信直後であった。

アキラは後輩の
畠山とともに
パトカーに乗り
現場に急行した。

現場到着は所轄である
海浜署の生活安全課と
ほぼ同時であった…。

現場には
ヒカルとおそらくは犯人が使用したであろう
マウンテンバイク型の自転車が
放置されており
ヒカルが犯人確保の際に用いたであろう
ヒカルの指紋がついた
アルミのパイプ状の
廃材があった。

また
投網のような網が工場内に放置されていた。
さらに
その奥には
最近川島町管内に多発した
ひったくり犯罪の被害物品が
放置されていた…。

アキラは
ヒカルの身の安全を祈りつつ
不安を抑えながら
川島町交番の巡査部長として
この事件の初動捜査のアシストを開始した。

―――あのヒカルを
簡単に取り抑えて
つれさるなんて…けっして
普通の男性1人や2人でできるはずがない…。

アキラは
屈強で格闘慣れしている
組織だった集団による犯行…

いや
最近頻発していた
ひったくり事件はすべて
ヒカルを誘い出すための
罠…………
そんな疑念を漠然と思い描いていた。