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Face or Body

第66章 その後…

長年にわたり
暴力団が支配していた
海浜のベイエリアにはすでに
港竜会の影はない…。

そして町の篤志家としての誉れ高かった
山縣も姿を消した…。

山縣の影響力が失われ
政財官界に及んだ闇からのチカラは
忽然となくなった。

高城カケルが処分保留のまま
不起訴となり
警察を退職した巻町ヒカルの復職という
非合理的
超法規的な処理が行われたことが
オヤジなる闇世界の首領が
最後に発揮した力であった…。

『いったいどこに姿を消したんだか…』
ヒカルは時々
山縣を思い出す…。
『結局… あのひとは最後まで、自分自身の罪を自分では清算できなかったひと… …山縣さん、私はあなたとはちがうまっすぐな正義で、これからも警察官を続けます。今までとは違うやり方で。』

ヒカルは県警本部の屋上で
ついさっき交付された辞令を握りしめて
真夏の青空を見上げた。

『嬢ちゃん!!ママになっちゃったなぁ!! いい母ちゃんになって、これからもアキちゃん大事にしろ!!嬢ちゃんの旦那はあいつしかつとまんないぜ!!』
ヒカルは
真夏の風のなかに
ふとデーブの声を聞いた気がした…。

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