
泣かぬ鼠が身を焦がす
第8章 網の目にさえ
さっさと立ち上がって俺の手を引く杉田さんに、心の底からふつふつと怒りが込み上がってくる
勝手に始めたのあんたじゃん!!!!
俺完全に被害者なんだけど!?
そう思うものの、完全に勃起している下半身を知られたままでそんなこと言えなくて
「……」
黙って立ち上がり、浴室を出た
杉田さんは今日は何でもかんでも世話を焼きたい日らしくて、あがってからも俺の身体を拭いたり服を着せたりしてくる
「これからヤんのに服着るの?」
「男なら、服脱がせる楽しみぐらいわかるだろう?」
な、なんかそう言われると……
「顔赤いぞ」
「……うっせ」
照れんじゃん
…………
あーーもーー!!!
「……っ俺!先戻ってるからっ」
「? あぁ」
俺はその場の空気に耐えきれず、洗面所を飛び出した
部屋に入るととにかく机の上にあった水差しから水を飲む
あぅ、ちんこ痛い
まだ顔もあっついし
ほんと俺、どうしちゃったわけ
水差しを顔に当てて熱を取っていると、杉田さんが部屋に入ってくる扉の音が聞こえた
「……っ」
なに、俺
これだけでびくびくしちゃってるわけ
あー、せっかく顔の赤いの取れたと思ったのにまた熱いし
