
泣かぬ鼠が身を焦がす
第21章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー)
「!?」
どうして手錠が!?
ベッドヘッドの柵に取り付けられた手錠はおもちゃなどではないようで、私が力を入れてもびくともしません
これでは、手の方が先に駄目になってしまいますね
とにかく助けをーーー
そう思った直後、部屋の扉が開いて人が入ってきました
「三村様……」
「起きましたか?」
聞きながら食事中のようににこやかに私に笑いかける三村様ですが、その笑みにはどこか闇が感じられます
まさかこれは三村様が、と思いましたが、私は確認も兼ねて尋ねてみました
「この手錠、外して頂けませんか? 酔った私が何かしてしまったからつけて下さったのでしょうか」
しかし私の淡い期待すぐに否定されてしまいます
「外さないよ。それを付けたのは確かに俺だけど、理由は貴方が何かしたからじゃない」
先ほどよりフランクな話し方
それに、笑い方もすごく
怖い
「!!」
そう思った次の瞬間には、私の身体の上には三村様の身体が乗っていました
「付けてる間は借りてきた猫のように大人しかったしね。それなのに付けた理由、わかる?」
「……っ」
胸が圧迫されて少し苦しいながらも、私は三村様の黒い笑み恐怖を感じていました
